「振動圧刺激」は頭皮マッサージの進化版!ミノキシジルの併用で発毛因子が増える
※本記事は2018年10月18日に作成したものです。
2018年9月、アンファーと日本医科大学が共同で「振動圧刺激」の研究成果を発表しました。
「振動圧刺激」とは、超音波や低周波を頭皮に当てることで発毛を促す、まったく新しい薄毛治療法で、いわば新時代の頭皮マッサージです。
日本医科大学の研究では、振動圧刺激とミノキシジル(※詳細)の併用で、さらに効果が増すと証明されています。
2021年には家庭用の治療機器も登場する見込みとのことで、今後さらに注目度が増しそうな振動圧刺激。
そこで、振動圧刺激とは一体どのような治療法なのか、またミノキシジルとの併用で効果が増す理由や長年議論がついに決着!?頭皮マッサージの効果の有無など、アンファーと日本医科大学の共同の研究成果の発表に関して詳しく解説します。
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目次
頭皮マッサージに効果はあるの?長年議論されてきた問題がついに決着!?
頭皮を手で指圧する「頭皮マッサージ」は非常に古典的な育毛法です。
数十年前から行われている頭皮マッサージですが、「本当に効果があるのか?」その有効性については長年議論されてきました。
「血行が良くなるから髪の毛が生えるはずだ!」
「そんなものに意味はない」
「やりすぎて頭皮に傷つくデメリットの方が大きい」
このように意見は分かれており、AGA(男性型脱毛症)(※詳細)に悩む方は何を信じたらいいのかわからない状況でした。
確かにマッサージをすることで頭皮の血行は良くなりますし、髪の毛が生えるかどうかはともかく、脱毛防止につながるような気がします。
そのため、誰しも一度はお風呂上がりにM字やつむじ部分を指でマッサージした経験があるのではないでしょうか。
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よくお風呂上がりにテレビを見ながらやってました。
僕自身は髪の毛が生えるどころか抜け毛も減らせませんでしたが、頭皮マッサージって気持ちいいんですよね。
「頭皮マッサージには一定の効果がある」日本医科大学が研究で証明
2018年9月に行われた日本医科大学やアンファー(スカルプD メディカルミノキ5などの発売元)の共同発表で、長年議論されてきた頭皮マッサージに関してついに結論が出ました。
日本医科大学が以前から行ってきた振動圧刺激の研究により、「物理的な刺激を与え続けることで皮膚が活性化し、発毛したり傷の治りが早くなったりする」のが分かったのです。
発毛を促すのは成長因子が増えるから、血行が良くなるからではない
なぜ物理的な刺激は発毛を促すのでしょうか?
その鍵はこれまで考えられていた「血行促進」ではなく「成長因子」にあります。
従来の考え方では、頭皮マッサージをすることで血行を促進するから発毛効果を促すと考えられていました。
しかし今回発表された研究により、発毛を促すのは血行促進が原因ではなく「成長因子の放出を促すから発毛効果が高まる」説が濃厚になりました。
【頭皮マッサージで髪の毛が生える理由】
血行が促進されるから⇒×
成長因子(VEGF)が多く放出されるから⇒○
誰もが血行促進こそがマッサージの効果だと考えていただけに、日本医科大学の発表は驚きをもって迎えられました。
そして日本医科大学は「振動圧刺激」の方法で、マウスに対して劇的に発毛を促せる事を証明したのです。
振動圧刺激こそが新時代の頭皮マッサージであり、今後家庭でも簡単にできる薄毛治療のスタンダードとなりうる可能性を秘めています。
頭皮への刺激で発毛が促される!「振動圧刺激」とは?
それでは日本医科大学の「振動圧刺激」研究について、より詳しく解説します。
日本医科大学の研究では、頭皮への刺激といっても実際に頭皮を指でマッサージしたわけではありません。
頭皮に対する物理的な刺激として「振動圧」を採用しています。
振動圧とは聞き慣れない言葉ですが、微細な波動や超音波などを患部に当てることで物理的な刺激とする方法です。
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最も身近な振動圧としては「低周波マッサージ」があげられます。
ピリッとした刺激を肌やその奥の筋肉に与えられる低周波マッサージは、一種の振動圧刺激で、日本医科大学の振動圧刺激は非接触型超音波を用いています。
振動圧刺激はもともと皮膚の怪我を治すための研究だった
日本医科大学の振動圧刺激は、もともと発毛とは全く関係のない分野の研究で、皮膚の傷などを治すために続けられていました。
重度の火傷やケロイドなどの重大な皮膚の疾患は、現代医学でも治せないのが現状。
そこで日本医科大学は、皮膚に対して継続した刺激を与えることで「皮膚の再生力」を活性化させる方向を思いつきました。
マウスの皮膚に対して物理的な刺激を与え続ける⇒その部分の細胞が増殖して、皮膚の新陳代謝を活性化させることが判明。
ちなみに皮膚の新陳代謝は別名ターンオーバーとも呼ばれます。
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肌のことに敏感な女性であれば常識的な知識かもしれませんが、僕も含めて大半の男性は「ターンオーバー?新陳代謝?なにそれ?」となるかも。
ちなみに僕はターンオーバーと聞くと、真っ先にアメリカンフットボールやバスケットボールの攻守の入れ替わりを想像してしまいます。
人間の細胞は一度作られたら一生そのまま同じものが使われるわけではありません。
一定の時間が経過すると細胞は死に、代わりに新しい細胞が作られて交換されます。
つまり常に細胞は入れ替わっており、これを新陳代謝と言います。
肌も細胞でできているわけなので、ちょっとしたシミができたとしても時間の経過とともに消えてしまうのは、新陳代謝によって細胞ごと全部入れ替わってしまったからなのです。
成長因子VEGFが増えると新陳代謝が早くなる
日本医科大学はマウスへの振動圧刺激により、肌の新陳代謝の速度が高まることを発見しました。
今回の日本医科大学の研究結果が革新的だったのは、「肌の新陳代謝が高まるのはなぜか」というところまで究明して、それを発毛効果につなげた点です。
マウスの肌へ物理的な刺激を与え続けることにより新陳代謝が早まった理由は、「成長因子(VEGF)」の量が増えたからです。
厳密に言うと「カリウムイオンチャネルが活性化し、それに伴いVEGFの放出量が増えた」となりますが、最終結果のVEGFのところだけ覚えておけば問題ありません。
【振動圧刺激を皮膚に与えることで起きる現象】
物理的な刺激⇒カリウムイオンチャネルが活性化する⇒成長因子VEGFの放出量が増える
※VEGFとは、血管内皮細胞増殖因子のことで、新たに血管を作る際や既存の血管から枝分かれした血管を伸ばし形成する際に関与しています。
血管内皮成長因子や血管内皮増殖とも言い、「Vascular Endothelial Growth Factor」の頭文字を取っています。
成長因子VEGFの増加により、マウスにかぎらず生物にはさまざまなプラスの効果をもたらすことが分かっています。
皮膚の新陳代謝力が高まり傷の治りが早くなるのは先述したとおり。
しかしVEGFにはもう1つ重要な役割があります。
それが発毛を促す力です。
VEGFは発毛に関わる成長因子の一種、物理的な刺激を与え続けることで生成を促す
VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)は、血管内皮増殖因子と呼ばれる成長因子(発毛因子)の一種です。
毛乳頭細胞付近にVEGFが増えることで、毛母細胞に対して発毛シグナルを出し休止期に入っている毛根から髪の毛が生えやすくなります。
しかしこれまでは、VEGFを増やすには医薬品などで外部から何らかの成分を体内に与えなければいけないと考えられてきました。
それが今回の発表により、物理的な刺激を皮膚に与え続けることで、VEGFの生成を促し発毛につながると分かったのです。
発表された研究によると、振動圧刺激を与え続けたマウスのVEGFは、何もしない状態と比べて1.3倍にも増えています。
ミノキシジルとの併用に関する日本医科大学の研究結果発表
日本医科大学の発表では、振動圧刺激で成長因子VEGFが増加し発毛を促すといった研究結果だけでなく、もう1つ重要なものがありました。
それがミノキシジル(※詳細)との併用についてです。
ミノキシジルは、日本で壮年性脱毛症において唯一一般用医薬品として発毛効果が認められている成分で、内服薬と外用薬があります。
内服薬は現在(2018年9月末時点)のところ厚生労働省から医薬品として認可されていないため、一定の条件を満たしているAGAクリニックでは処方可能ですが、薬局などで簡単に手に入れることはできません。
有名な外用薬は、発毛医薬品として1999年に認可された大正製薬の「リアップ」。
その後の2018年には、スカルプDシリーズでおなじみのアンファーより、リアップのジェネリックとして「スカルプD メディカルミノキ5」が発売されています。
これらの発毛剤は第一類医薬品のため、購入時に薬剤師の確認は必要となりますが、薬局やネットでも購入可能です。
頭皮に塗布(塗る)外用薬の場合、ミノキシジルの成分量は内服薬と比べて少ないため発毛効果の期待値も下がるわけですが、その分副作用の心配も減り、2017年度の日本皮膚科学会ガイドラインでも、ミノキシジルの外用は有用(推奨度A:行うように強く勧める)となっています。
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【後日談】
その後も続々とミノキシジル5%配合発毛剤が発売されています。
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ただ発毛効果が期待できるミノキシジルだけではAGAは改善できません。
なぜなら、穴の開いた容器に水を注いでも溜まらないように、いくら髪の毛が生えたとしても、それ以上に抜け毛が増えたら改善どころか悪化していくからです。
それには、AGAの進行抑制効果があるフィナステリド(※詳細)やデュタステリド(※詳細)の治療薬が有効です。
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発毛剤は、ミノキシジル5%程度では気休めに近いレベルで、効果に関して過度な期待をしない方が良いと聞いています。
僕は実際に銀クリに通院し、ミノキシジルとフィナステリドの内服薬治療が、費用対効果を考えるとAGA改善の一番の近道だと実感しています。
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謎だったミノキシジルの発毛メカニズム、成長因子を増やす説が有力
世界中でもう数十年も使われているミノキシジル(※詳細)ですが、発毛メカニズムに関しては、まだよく分かっていない存在です。
「ミノキシジルは血行促進効果で生える」と言われていた時期もありましたが、どうやら他の理由があるのだろうというのが定説でした。
ミノキシジルには確かに血行促進効果はあります。
しかし、同じように血行促進効果がある他の成分には発毛効果がないのです。
ではなぜミノキシジルには発毛効果があるのか?
その謎は世界中の研究者が追求していますが、近年徐々にその理屈が解き明かされつつあります。
非常に有力な説は、「ミノキシジルは発毛に関わる成長因子を増やすから発毛する」です。
つまりミノキシジルは、血行促進ではなく成長因子を増やすからこそ発毛するということです。
【ミノキシジルで髪の毛が生える理由】
血行が促進されるから⇒×
成長因子(VEGF)が多く放出されるから⇒○
ここで目ざとい人はもう気づいたかもしれません。
そうです。
このミノキシジルの発毛メカニズムは、頭皮への物理的な刺激による発毛メカニズムと全く同じだったのです!
物理的な刺激⇒VEGFが大量に放出⇒発毛
ミノキシジル⇒VEGFが大量に放出⇒発毛
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振動圧刺激とまったく同じだ…!
ミノキシジルと振動圧刺激を併用で成長因子の放出量が1.5倍に増加し効果アップ!
日本医科大学は、「同じメカニズムで発毛するのならば、ミノキシジルも振動圧刺激も一緒に使っちゃえばいい!」と考え、すぐに実験を始めます。
その結果、ミノキシジルや振動圧刺激単体よりも、併用した方が成長因子であるVEGFの放出量が増えていました。
振動圧刺激のみ・ミノキシジルのみ⇒VEGFは1.3倍増加
振動圧刺激とミノキシジルを併用⇒VEGFは1.5倍増加
今回の研究結果のキーポイントはまさにコレです。
振動圧刺激単体でも効果はあるけれど、ミノキシジルと併用することでさらに効果が増すのです。
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つまり、ミノキシジルを頭皮に塗った状態で頭皮マッサージすると最高ってことですね!
2021年には家庭用の振動圧刺激機器が登場する予定
日本医科大学のミノキシジルと振動圧刺激の併用に関する研究結果を受けて、低周波を使った振動圧機器の開発も進んでいます。
国内屈指のAGA治療クリニックを運営する「ヘアメディカルグループ」と波動工学に詳しい「ピクシーダストテクノロジーズ株式会社」が共同で低周波振動圧機器の実用化を目指しています。
ヘアメディカルグループ
・初回カウンセリング費用:無料
・初期費用:5,000、10,000円(税込)
・1ヶ月あたりの料金:税込11,000~32,000円
・主要4都市(東京、名古屋、大阪、福岡)のクリニック、専門医の連携による精神的なサポートで通いやすい
2020年までに病院で使える業務用機器を開発し、2021年には家庭でも使える小型機器が発売される見込みとなっています。
低周波マッサージ機器なので、よほど使い込んで本体が壊れないかぎりメンテナンス費用はほとんどかからないでしょう。
AGA治療法としてのコストパフォーマンスは抜群のものになる期待も可能です。
将来的にはリアップX5やスカルプD メディカルミノキ5などの発毛剤(ミノキシジル外用薬)を頭に塗った後で、低周波頭皮マッサージ機器を使うのがAGA治療としての第一選択肢となるかもしれません。
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AGA治療はどうしてもお金は掛かりますが、頭皮にも財布にも優しい治療機器になるかもしれませんね。
発売見込みですが、2021年を楽しみに待ちましょう。
振動圧刺激の副作用は研究段階で不明も、考えられる身体への悪影響とは
振動圧刺激についてはまだ効果面の研究段階のため、副作用についてはよくわかっていません。
同じ箇所にあまりにも長時間刺激を与え続ければ、いくら「非接触」とはいえ何らかの悪影響があるかもしれません。
現段階で考えられるのは、肌の変色や血管などに悪影響を与えるといった具合です。
肩こり用の低周波マッサージ機器も、あまり同じ箇所に使い続けてはいけないといった注意書きがありますので、頭皮用も同様だと考えられます。
頭皮マッサージ機器が発売された際には、必ずメーカー側の使用制限を守るようにしましょう。
「早く髪の毛を生やしたい!」と焦るあまりに、使いすぎて副作用が生じては元も子もありません。
何事も適度な使用に留めるのが重要です。
指での頭皮マッサージは振動圧刺激と同じように成長因子が増える効果があるか未知数も今後の動向に大注目
日本医科大学とアンファーが共同会見で発表した「振動圧刺激とミノキシジルの研究結果」について解説してきました。
今回発表された研究で、古臭く根拠が無いと思われていた頭皮マッサージにも、一定の発毛根拠があったことが判明しました。
コツコツ指で頭皮マッサージしてきた方を勇気づける結果となったかもしれません。
ただし注意しなければならないのは、「振動圧刺激」と「指での頭皮マッサージ」は同じではない点。
日本医科大学が研究で使った手法は、指で直接皮膚をマッサージしたわけではなく、あくまで特殊な機器を使った非接触型の物理的な刺激です。
お風呂上がりに指で頭皮マッサージをしたからといって、成長因子VEGFが増える効果まであるかどうかは未知数です。
ただ2021年には家庭用の低周波機器が発売予定とのこと。
ミノキシジル(※詳細)との併用で、確実な発毛効果が期待できる振動圧刺激に関しては、今後の続報や動向にも大注目です。
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ただ先述したように、ミノキシジルだけではAGA(男性型脱毛症)(※詳細)は改善できません。
どうしても薄毛が気になってくると、髪の毛を生やすことばかり考えてしまいますが、実際には抜け毛予防も重要なんです。
いくら髪の毛が生えても、それ以上に抜け毛が増えたら悪化するだけ。
それにはAGAの進行抑制効果が期待できるフィナステリド(※詳細)などの治療薬を併用することです。
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僕は銀クリに通院し、ミノキシジルとフィナステリドの内服薬で治療をしています。
やはりクリニックでの内服薬治療がAGA改善の近道だと実感しています。
本気で薄毛に悩んでいる方は、こちらの治療経過や改善記録をチェックしてみて下さい。
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ライター情報
近藤あきら
25歳を過ぎた頃から薄毛に悩み始め、慌てて育毛剤などを試すも効果なく、ハゲを治す最後の頼みの綱として、都内にあるAGAクリニック『銀クリ(銀座総合美容クリニック)』で治療を受けることを決断して現在も通院中! 『公益社団法人 日本毛髪科学協会』会員、念願の毛髪診断士の資格を取得! 基本くだらないことばかりですが、たまに良いことや役立つ情報もつぶやいてます。⇒近藤あきらツイッター
僕は頭皮マッサージや育毛剤などで対策した時期もありましたが、結局効果はなく…。
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